西田順天堂内科

　繊維筋痛症は難病ではない　⇒　針灸治療で治せる

第一話

キーワード:　繊維筋痛症、針灸治療、繊維筋痛症の治療　最近、話題になっている繊維筋痛症について述べてみたい。本疾患は現代医学では難病に指定されているが、東洋医学の治療手段を用いると決して難治ではない。

1.繊維筋痛症の症状の特徴

　繊維筋痛症は現代医学のあらゆる検査にも異常として捕らえられない。患者の症状を良く聞くことによって判定できる。
　症状は①全身の筋肉の痛みと運動障害、②それに精神神経障害が現れる。具体的にはうつ状態、不安、不眠などで患者にとっては大きい苦痛であるが他人から見ると異常らしい所見は見られない。時には苦痛のため自殺された人もある。

2.繊維筋痛症の診断

　診断は、下記の条件がそろった時に確実に断定できる。
　①長期間続く筋肉痛と、後頚部や背部、四肢の運動障害が続いている。
　②あらゆる現代医学的な検査では異常は見つからない。
　③以上の筋肉痛は「針灸治療」で急速に改善され、同時に精神神経症状も消失してゆく。

3.繊維筋痛症の治療

　治療は針灸治療で速効がある。患者は来院時、すでに現代薬の抗うつ剤や精神安定剤などを内服しているが効果は得られていない。針を刺す部位は、主に患者が苦痛に感じる部位(阿是穴)、頸背部、上肢と下肢の背側部に1～2mmぐらい刺して15分間ぐらい置いておくと効果がある。
　東洋医学的な表現を用いると、刺針する部位は背部の陽経の膀胱経、大腸経、胆経、また奇経の督脈などの穴(つぼ)に置針する。不安がある場合は百会、神門などに刺針する。

4.　更に詳しく知りたい方は、拙著「繊維筋痛症は針灸治療で治せる」　　(たにぐち書店より出版)を参照してください。